法律

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法律(ほうりつ)とは、国家や連邦国家の構成単位の議会の議決を経て(: statute)、あるいは、統治者ないし国家により制定される、主に国民の自由と財産を制限する実定法規範(: law: Gesetz: loi: lex)。

近代以降における法律は、議会の議決を経て制定される。この点に着目して、法律を憲法命令等の他の法形式と区別するとき、それを形式的意味の法律と呼ぶ。

実質的意味の法律の意義(法律の実質的意味)としては、主に以下の立場がある。

大日本帝国憲法下では、法律は、国民を縛る定めであり、帝国議会の議決を経て天皇の裁可によって成立する法形式であった(大日本帝国憲法第5条、第6条)。 大日本帝国憲法第5条の「立法権」が立法するのは、形式的意味の法律であるか、実質的意味の法律であるかが争われた。

天皇は、帝国議会が議決した法律を、場合によっては拒否することも可能であったため、裏を返せば、帝国憲法第6条は、帝国議会に対する拒否権でもあった。だが、実際のところ、帝国憲法の運用において、天皇が帝国議会が議決した法律を拒否することは全くなく、帝国憲法第6条で定められた、天皇の法律への裁可は、事実上、形式的・儀礼的な行為であった。

国家の行政機関に関する定め等は、国民の権利義務に関する法規範ではない(前述の「法規」概念にあてはまらない)という理解の下で、勅令により定められた(大日本帝国憲法第10条、内閣官制など)。

現行の日本国憲法下では、法律は『(社会)契約』であり、「この憲法に特別の定のある場合」を除き、「全国民を代表する選挙された議員」(憲法第43条)で組織された「国の唯一の立法機関」(憲法第41条)たる国会の「両議院で可決」(憲法第59条第1項)されることによって成立する法形式である。 「この憲法に特別の定のある場合」には、衆議院の優越が認められる場合(憲法第59条第2項)、参議院の緊急集会における可決の場合(憲法第54条第2項・第3項)がある。 また、地方特別法の場合には、住民投票による住民の同意が必要とされる(憲法第95条)。地方特別法の場合を除き、可決された時点で、法律は成立する(判例)。

法律の形式的効力は、「国の最高法規」たる憲法より下位であり(憲法第98条)、行政機関が出す政令省令最高裁判所規則地方自治体の議会が定める条例より上位である。

裁判所に、法律が憲法に適合するか否か審査する権限が与えられている(違憲審査権憲法第81条・判例)。

現行憲法下において法律を発案・提出する手続には、以下の三つがある。

1・2の場合のように、議員または委員会が提出した法律案によって行われる立法は、俗に議員立法と呼ばれる。そのようにして成立した法律が、議員立法と呼ばれることもある。 議員立法に資するため、両院に議院法制局(国会法第131条。衆議院法制局・参議院法制局)が置かれている。 他に、議員の調査研究・職務を助けるための制度として、国立国会図書館(国会法第130条、国立国会図書館法)、議員秘書(国会法第132条)、議員会館(国会法第132条の2)がある。

議員による法律案の提出について、国会法は、議員が法律案を「発議」するためには、賛成者を要するとしている。

両議院におかれた委員会が立案し、委員長名で提出される委員会提出法律案による場合。

内閣法第5条は、内閣の法律案提出権を認めている。ただし、内閣に法律案提出権が認められるか否かは、憲法上、明示的規定がないために問題となる。この問題については、以下の立場がある。

多くの法律は、内閣の発案によって成立している。その場合には、一般に以下のような過程を経る(以下では、内閣法制局の説明 [1]を要約し、必要に応じて補足した)。その進行は「タコ部屋」と呼ばれる法案準備室が中心となる。

公布は、法律が現実に発効(施行)するための要件であり、公布によって国民を拘束する力が生じるのではない。 公布された法律がいつから施行されるかについては、通常、公布される法律の附則に定められているが、定めがない場合は公布の日から起算して20日を経過した日から施行される(法の適用に関する通則法2条)。 公布・施行が同一日になされる場合は、官報が、独立行政法人国立印刷局官報課または東京都官報販売所(一般の希望者が官報を閲覧・購入しようとすればなしえた最初の場所)に到達した時点で公布があったとされる(判例)。

憲法・主な法律の条文は、e-Gov法令検索[2]で、参照できる。

日本国憲法施行後に制定されたすべての法律(制定済みの法律を改正するための法律を含む。)は、衆議院のウェブサイト[3]で、参照できる。

イギリス議会は貴族院と庶民院の両院で構成され、法律は原則として両院で可決されたのち国王の裁可を経て成立する[1]

ただし、1911年及び1949年の国会法により、庶民院議長が金銭法案(Money Bill)であると判断した法案については、庶民院の通過後から会期終了の1ヶ月前までに貴族院に送付されれば、貴族院が可決しなくても国王の裁可を経て法案は成立する[1]。また、その他の一般法案(Public Bill)についても、貴族院は庶民院議員の任期延長に関する法案でない限り、庶民院の通過後1年間に限り法律の成立を遅らせることができるにすぎない[2]

実際には、庶民院と貴族院の議決が異なる場合、国会法による手続ではなく両者の協議によって解決されることが慣例となっている[3]