市町村長

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市町村長(しちょうそんちょう)とは、地方公共団体(市・町・村)の長である市長町長村長の総称。

市町村首長であり、同時に独任制執行機関でもある。また、同等の地位である東京都特別区首長の区長を含め、「市区町村長」(しくちょうそんちょう)と言うこともある。

地方公務員法の規定により、地方公務員法の規制を受けない特別職地方公務員とされる。

市町村長は日本国憲法第93条の定めにより、住民による選挙で選ばれる。また、選挙権被選挙権などは公職選挙法および地方自治法に規定される。

市町村長は市町村を代表する独任制の執行機関にして、市町村の組織を統括・代表し、また、事務を管理し執行する。具体的には、市町村の予算を調製・執行したり、条例の制定・改廃の提案及びその他議会の議決すべき事件について、議案を提出したりすることができる。(地方自治法第147 ~ 149条)

簡単に言うと、市町村の事務のうち、他の機関[3]が処理すると定められているものを除いた全てを担当する。

他、補助機関である職員を指揮監督すること、市町村内の公的機関の総合調整を図るために必要な措置を行えることなどが定められている。

市町村長は、上述の議案提出権のほか、議会の議決に対して異議のある場合は再議に付すことができる(いわゆる拒否権の行使)。ただし、議会の3分の2以上の多数で再議決された場合はその議決は確定する。また、議決が違法であると認める場合は都道府県知事に審査を求めることが出来る。

また、議会の権限に関する事項において、議会が決定しない場合や委任の議決がある場合など、地方自治法の定める場合において、職権で事件を処理することができる。これを専決処分という。

そして、不信任の議決を受けた場合と、不信任の議決を受けたと見なせる場合[4]に限られるが、議会を解散する権限も持つ[5]

以上のように、拒否権のみならず、議案提出権や議会解散権をも持つ。

イギリスでは市長に直接公選制を導入するかどうかは各自治体に委ねられており全ての都市で公選制が採用されているわけではない。直接公選制は地方レベルの政治参加を促すために2000年にブレア労働党政権が導入を可能とした[6]

市長の任期はロンドンの場合は6年である。

ヨーロッパでは国政職と地方職の兼任を認めている国が多いが、イギリスでは国政職と地方職の兼職は伝統的に好まれず、国政職と地方職を兼任していた人物も稀でキャリアの点でも分離される傾向がみられる[7]。稀な例としてアトリー内閣で内相を務めたH・モリソン(旧・ロンドン市議)がいるが「タマニー型のボス」(タマニーは18世紀末期に市政の私物化で批判されたニューヨークの政治団体の名前)としてその政治姿勢が非難された[7]

イタリアコムーネには合議体の理事会(giunta)が設置されており、執行部に市長の個性が現れる度合いは小さい[8]

イタリアでは政党の力が強く、市政も市長の個性が現れにくい機構であるため、市長が国政進出時にそのキャリアを買われることは特になく、政党内でのキャリアのほうが重視される傾向にある[8]。イタリアの下院議員は何らかの地方職を兼任していることが多いが、1960年代大都市の市長などと国会議員の兼職は禁じられた[8]

以下は直接公選の首長制をとっていない。

アメリカ合衆国では自治体ごとに機構が異なる。

アメリカ合衆国の地方の機構は、市長-議会型、議会-支配人型、評議会型の3つに大きく分けられる[9]。それぞれ市長制(市長議会制、Mayor-Council Form)、シティー・マネージャー制(議会マネジャー制、Council-Manager Form)、委員会制(Commission Form)ということもある[10]

ニューヨークなど東部諸州に多い方式で、議会とは別に市長は住民による選挙で選ばれ、全市一区を選挙区とする市長と全市一区または各地区を選挙区とする議員で構成される議会に権限を分割している[9][10]。しかし、市長の権限の範囲は自治体ごとに大きく異なるため、伝統的に弱市長制(Weak Mayor-Council Form)と強市長制(Strong Mayor-Council Form)にさらに分類されている[10]

弱市長制では権限が分散して小政府の寄せ集めの様相を呈する弊害が指摘され、現代的な統治形態としては十分に機能しないため、小規模自治体を除きこの統治形態は減少している[10]。強市長制は19世紀末の市政改革運動(リフォーム運動)で誕生し、政策の一貫性や効率的な予算執行など数多くの面で弱市長制を凌駕する有効性を発揮した[10]

ニューヨークの場合、市長の任期は4年で、政策立案執行、行財政運営、市法制定に対する拒否権、予算案の作成と議会への提出権などを持つ[9]

なお、市長制でも、Chief Administrative Officer(CAO)という専門的行政官を置く自治体が半数以上になっており、市長が市を代表する儀礼的業務や高度な政策決定などの政務機能に専念できる体制をとるようになっている[10]

スタントンなどでとられている方式で、市長は議会で議員の中から選ばれる[9]。例えばスタントンでは市長の任期は2年で市を代表し、議会を主宰する(議長を兼務)[9]。議会は市長とは別に支配人(City Manager)を任命し、支配人は行政部局の指揮監督、予算案の作成や執行、人事などを行う[9]

シティー・マネージャー制の市長は議会を主宰するほかは、市の代表としては儀礼的用務を務めるのみであることが多い[10]。シティー・マネージャーは専門的行政官として議会から任命される職で、議員とは異なり政治家ではなく行政の専門家である[10]

住民による選挙で選ばれる評議会が立法機関と行政機関の役割を果たす行政・立法一体型で評議会議長が市長を務める[9]。委員会制ともいい市民によって公選された委員が行政各部局の長となって直接行政を執行する制度で、委員の一人が市長になるものの他の委員と全く同格で拒否権等もない[10]